日本体育科教育学会 第27回大会 開催にあたって

北海道教育大学
副学長・札幌校キャンパス長 田口 哲

 令和4年6月25日・26日の二日間に渡り,北海道教育大学札幌校を会場として「日本体育科教育学会 第27回大会」の開催が予定されていることを大変嬉しく,また光栄に思います。

 北海道教育大学は,札幌・旭川・釧路・函館・岩見沢の道内5都市にキャンパスがあり,その中でも札幌校は,北海道師範学校として創設されてから130年を超える歴史を有する教員養成を主なミッションとするキャンパスで,日本第5位195万人超の人口を抱える政令指定都市札幌市を中心に,全道,そして全国に,体育科教育を専門とする教員を含む初等・中等教育の教員を数多く送り出してきました。体育科教育を含む体育関係の研究者は本学全体で約30名おり,活発に研究を進めております。

 2021~2022年は,わが国で開催された夏季オリンピック・パラリンピック,そして北京で開催された冬季オリンピック・パラリンピックがあり,体育・スポーツの価値が改めて世界中で認識された年でありました。体育科教育学においても学術研究のより一層の進展がなされたことと存じます。そのような中,本大会において活発な研究討議が行われ,日本における体育科教育に関する学術的・実践的研究の発展につながることを,本学としても大変期待しております。

 最後に,COVID-19の感染拡大が始まってまる2年が経過しました。大会が開催される頃には,感染状況が落ち着き,無事対面での大会開催が実現できることを祈念いたしております。

 


学会長挨拶

日本体育科教育学会
会長 友添 秀則

 2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活を大きく変えることになりました。日本体育科教教育学会も一昨年の第25回大会及び昨年の第26回大会を急遽オンライン開催といたしました。

 この度、第27回大会を2022年 6 月 25 日(土)~26 日(日)の両日にわたって、北海道教育大学札幌校を会場として開催する運びとなりました。開催決定にあたっては、本会理事会でも度重なる検討を重ね、あくまで実開催を前提に諸般の準備を進めることに致しました。

 周知のように、2022年度からは小・中・高校のすべての校種において、新学習指導要領が実施されます。他方で、新型コロナは児童・生徒の体力の大きな低下をもたらしました。また、国はこれからの社会像として、AIやIoTを最大限活用してサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させた、「ソサイエティ5.0」を提唱しています。このように社会が大きく変革する今、体育科教育には私たちの領域でしか成し得ない新たな社会的ミッションや子ども達に対する責任があります。

 このような時期であるからこそ、多くの会員が一堂に会して、体育科教育のなすべき課題やミッションについて、ともに考える機会はきわめて大切であると考えています。大会1日目は会員による研究発表、大会2日目はICTを活用した体育授業についてのシンポジウムが計画されております。現状では、新型コロナウイルスの終息は必ずしも見えるわけではありませんが、是非、札幌の地に集い談論風発、多くの多様で有意義な議論を会員の皆様方が重ねることを願っております。

 最後になりますが、本大会の開催に際しましては、北海道教育大学、北翔大学、東海大学の先生方に多大なご協力を頂いております。ここに記して、心から感謝申し上げ、ご挨拶といたします。(2022年3月記)


大会実行委員長挨拶

大会実行委員長
山本理人

 令和2年からのこの2年間は、新型コロナウイルス(covid-19)の感染拡大に伴い、多くの学会がオンラインでの開催となりました。日本体育科教育学会の学会大会も、2年連続でのオンライン開催となり、本学会大会の特徴でもあるラウンドテーブルを通じた対面による活発な議論ができない状況が続きました。第27回大会は、北海道教育大学札幌校を会場として開催する運びとなりましたが、対面での開催を目指して実行委員会のメンバーを中心に準備を進めてまいりました。

 Society 5.0が目前に迫る現代の社会においては、学校そのもののあり方を含め、教育や学びのあり方に関する議論が多くなされるようになってきています。新型コロナウイルスの感染拡大という状況は、このような動きを加速させたように感じています。新型コロナウイルス禍に見舞われたこの2年間は、対面を前提とした実技教科である体育という営みに対しても新たな「問い」が向けられるとともに、ICTを活用した授業の取り組みや学校・家庭・地域が連携した学びのあり方などが模索されてきています。今大会では、「1人1台端末時代におけるICTを活用したこれからの体育授業の在り方」というテーマでシンポジウムが開催されます。本シンポジウムを通じて、「身体」「非言語的な対話」など体育という営みの特徴を表すキーワードを軸に、ICT機器のツールとしての有用性を超えて議論が深まることを期待しております。

 最後になりますが、6月の北海道は爽やかな空気の中で美味しい食べ物を味わうことができる季節です。実行委員会一同、対面での開催を祈りながら、皆様方のご参加を心よりお待ちいたしております。